新郎の母狂騒曲Episode1:当日に何を着るかでヒートアップ!三方向からの板挟み

息子の結婚式が少しずつ近づいてきました。先方の親御さんとは「若い二人に任せましょう」ということで静観する合意を得たものの、わたしの性格上勝手にいろいろ抱え込み、完全に詰んでいる状況です。

まずは結婚式をどこで行うか問題

次男が同棲→入籍と進み、いよいよ結婚式を挙げることとなりました。
彼らの選択は「親族婚」。
最近、多いそうですね、この選択。わたしらのときのように、お互いの会社の上司から同僚から、親戚一同、かつての学友まで100人以上みたいな結婚式は、今や一部の間ではマストではないのかもしれません。

親族婚ということで、結婚式の参列者は、

  • 新郎側•••父、母、兄、祖父、祖母ふたり、叔母ふたり、叔父
  • 新婦側•••父、母、姉

となります。

この、人数の偏り。気になりますよね。
12人の参列者のうち、着目すべきは「祖父ひとりと祖母ふたり」の部分。
わたしもすでに老人ですが、さらにもう一世代上の人が3人いて、その3人は同じ市街地に住んでいます。便宜上、そこを「地点A」としましょう。

一方、新郎新婦が現在住んでいる場所は「地点B」。地点Aからは飛行機が必要なほどの遠さになります。

地点Aには、新郎側の参列者のうち、兄を除く全員が住んでいます。
地点Bには、新郎新婦、新婦側の参列者、そして新郎の兄が住んでいます。

優しい新婦のご両親は、「年配者がいらっしゃるのだから、わたくしどもが地点Aに出向きます。」と申し出てくれたらしく、わたしたちのところに話がきたときには、「結婚式は地点Aで行う」報告となっていました。

新郎の母=わたし、ここで第1の出遅れ。

どうして、「いやいや、わたくしどもがそちらに出向きます」と言ってあげなかったのだろう•••

彼らの住む地点Bで結婚式を挙げれば、逆に新婦側の親戚がもっと参列できたかもしれないのに•••。

わたしの気配りのなさが最たる原因だけれども、こういうとき新郎の母というのは著しく不利なものだと思うわけで•••。離れて住んでいれば、尚のこと。息子はすごく話好きで、思いやりのある子ではあるけれども、世間一般の男子同様、めったに連絡を寄越しません。

一方、新婦は両親と近くに住んでいるし、わたしも同じ境遇だからよくわかるけど、頻繁に綿密に母親とはそういう会話をするものなのです。

もうひとつ言い訳をさせてもらうと、新婦側の祖父母は父方も母方もみなさんこの世にはもういらっしゃらないということで、最終的には「80代トリオにとってアクセスのよい、わたしたちの居住地・地点Aで結婚式を」という新郎新婦の意向を、ありがたく汲み取ることとしました。

「親族の衣装」問題

新婦のご両親とのしがらみ

それは、息子からの

お父さんとお母さんが何を着るか確認しておいてほしい、と言われてる

というひとことから始まりました。

新婦のご両親が、わたしら夫婦と服装を合わせたいと仰ってくださったそうなのです。

まあ!
それは、そうですね!

で、でも〜

うっ•••

最近。
つい最近。

わたしの母が身辺整理と称して、留袖を譲ってくれたばかりでした。
「子供たちの結婚式も近いでしょうしね」と。

すごくうれしくて、わたしもすっかりその気になっていましたが、「待てよ」と。

わたしが「留袖を着るつもり」と言ってしまったら、遠方から飛行機で来るだけでも大変な思いをさせてしまうのに、さらなる負担を強いることになるわけですよ。

あちらのご両親の負担を思えば、ここは忖度して「洋装にします」と言うのが正解だろうとは思うのです。

息子経由で聞いた話では、「洋装であろうと和装であろうと、どのみちレンタルすることになるので、本当にどちらでも構わないみたいだよ」と•••。

え、ちょっと待って。

これ、わたしの返事待ちですか?!

自分の母とのしがらみ

和装にするか、洋装にするか。

それ以前に。
洋装にするなら何をどうするか道筋は見える。
和装にしましょうとなった場合、わたしって準備ができるのだろうか?という疑問にぶち当たりました。

確かに留袖はもらったけれども、和装って他にもいろいろ整えなきゃいけないものがあるはずよね?なんとかじゅばんとか?
わたしが直近で着物を着たのは、結納をした35年前が最後だし、何がどこにあるのか、いや、そもそも必要なものを持っているのかどうかすらわからない。

「先方のこともあるので、洋装にする可能性の方が高い」ことは強く念押しした上で、滅多にうちに来ることのない母に家まで来てもらい、我が家の和装一式を見てもらうことにしました。

タンスの引き出しからそれらしいものを全て引き摺り出し、検証を行った結果。最低限のものは揃っていたのですが、細かいものが不足していました。

たとえば、紐。帯上げ。帯締め。

母は留袖をわたしに譲ってくれたタイミングで、自らの和装一式は全て処分してしまった模様で、その中に上記のものが含まれていたようなのです。

「あら〜、どうして捨てちゃったんだろうね、わたし」

責任感の強い母の、後悔とリベンジの炎が着火するのを感じました。

血相を変えて帰っていった母は、家中の引き出しという引き出し、物入れという物入れをひっくり返し、「捨てた」とわかっているはずのものを探し始めた様子。

それでもやはり「ない」ことが確認できると、紐を縫うことに決めたらしく、数日後、

「紐、5本縫ったから、もう大丈夫!」

と電話がかかってきました。

えっとお•••

だから、まだ留袖着るかどうか、決まってないからね

その後も、「襟の芯を見つけた」とか、「着付けのところに持っていく用の大きな風呂敷見つけた」とか、追い討ちが止まらない状況となっています。

それでも、母のこの行いは取るに足らないことだということを、後々わたしは思い知ることとなります。

夫の母とのしがらみ

遡って、母と和服の掘り起こし品評会をした日。
まだ床に諸々が散らかっているところに夫が帰ってきました。

事の顛末を話すと、

足りないものは、うちの母ちゃんが持ってるかどうか、聞いてみてあげようか

と。

そう。そうでした。夫のお母さんは、お着物が大好きなのでした。
うちの母に我が家のタンスを見てもらったとき、義母から贈られた着物がぞろぞろ出てきて、びっくりしたんだっけ。

小物が足りないことに責任を感じている母に、「紐も帯締めも、お義母さんが持ってたから、借りることにしたよ」と言ってあげられたなら、あの血眼もきっと治ってくれるだろう、と思いました。

翌週。
夫の実家を訪れたときに、義母と義姉に結婚式で和装をするかどうかを聞き、「しない」というお返事を聞いた上で尋ねました。

もし、留袖に合う帯締めと帯上げをお持ちでしたら、貸していただけないでしょうか?

その日はちょっと取り込み中だったので、義母は「うん、わかった。探しておく」と言ってくれました。

それから約半月後のことー。

義母から電話がかかってきました。

「帯、大丈夫だよ。用意できたから、新しいの」

ん?
新しいの?

「うん、新しいの、買ったから」

えっ?

ええーーーーーっ!!!

あっ•••あ•••う〜••••••えっ、ええ〜っ?

しかも、帯!?

(お義母さん、「帯」は母がくれたので、あるんです。ないのは「帯締め」と「帯上げ」なのですが•••わたし、そう言いませんでしたっけ?)

いや、そんなこと言えない。
言えるわけがない!
でも帯っていくらするのよ〜。高いよ、絶対。

着付けの問題もある

もし、留袖を着ることになったら、自分はさておき、新婦のお母さんが着付けできるところをわたしが探してあげなきゃいけないという使命を帯びている真っ最中でもあります。

義母は着付けの免状を持っているので、頼めるだろうか?

もし、IF、和服を着るとなったら着付けってお願いできたりします?

と打診したいのだけれども、これ以上、その気にさせてはいけないという危機感が募り、聞くのが怖いです。

だって和装になった場合、着付けは二人分必要になるわけで、義母に二人分頼むのも申し訳ないし、かといって自分ひとりだけ頼むのもずるいし、新婦のお母さんは義母に頼んで、自分はどこかの美容室で外注するのも不自然だし•••

聞いてみるにしても、どんなスケール感で聞いてよいのか。

でもお義母さんに尋ねもしないで別の場所にお願いしたら「あらー、わたしに頼めばいいのに」ってことになるかもしれないし。

もう頭の中、ぐっちゃぐっちゃね。

三方向からの板挟み

義母が帯を買ったと電話をくれた日、夫の帰宅を待ってこぼしました。

お義母さんが、「帯買った」って言うんだよ〜
まだ着物着るって決まってないのに〜•••

いいんじゃない?
もう着物着るしかないよ

いや、わたしはいいけど、そしたら新婦のお母さまにも着物着ろって話になっちゃうからさ•••

「色々あってわたしは着物着ますけど、お母さまはお好きなものを着てください」って言えばいいしょ

あっ、それ言っちゃうんだ•••

わたしだって、わたしだって、最初っからそう思ってるよ〜〜〜。

でも、「合わせます」って言ってくださっている先方に向かって、「そんなことしなくていいから、好きなもの着てください」だなんて•••。心の中で思うのも不謹慎なのに、それを息子の口から言わせるっていうの?

無理でしょ••!

和装にしたら新婦のお母さんに申し訳が立たない。
洋装にしたらうちの母に申し訳が立たない。
新しい帯を身につけないと義母に申し訳が立たない。

わたしは一体、誰の顔を立てたらよいのでしょう???

狂騒曲は、まだまだ続く。たぶん。

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