病院の待合室にて:ご年配夫婦の力関係が垣間見えたやりとりから教訓を得た話

平日日中の病院は高齢層の集まり。おひとり様の患者が多い中、ひと組のご夫婦がカップルでお越しになられていました。そのおふたりの会話が興味深くて、否が応でも耳に入ってきてしまいました。

いえね。
わたし、眼科の持病が悪化しまして。
いかんいかん、と思いながらも必要に迫られて目を酷使してしまっていました。

ただの飛蚊症だけなら、原因も診断内容もわかっているのですが、視界のぼやけ方がちょっと尋常ではないので、いよいよ病院を受診することにしました。

平日の日中。
ビジネスマンらしき方もいますが、やはりフリーのシニア層が目立っている院内です。

まずは男性看護師さんらしき方との面談に呼ばれました。

「どうですか?その後、目の症状に変化はありますか?」

いい。
いいわあ、このとっかかり。

「なに?どこが悪いの?何しにきたの?」風な聞き方する人、いますでしょ。
忙しいのに、そんなことで来るなよ的な詰問口調で出鼻をくじいてくるタイプ。

ここの病院は、実に親身でウェルカムな態度です。
道理で混んでるわけだ。

本日の症状をざっくり話すと、どうやら瞳孔を開く目薬を打って検査をする流れとなりそうです。ちょっと時間がかかる、あれです。

うん、今日は長くなりそうね

と。

わたしの2組くらいあとに、わたしよりもう少し年齢お高めのご夫婦らしきカップルが院内に入ってきて、受付をし始めました。

ふたり揃って受付に立ち、旦那さんらしき男性が、

「今日は何から何まで忘れてきたもんで・・・」

と説明しています。

すると、奥様らしいご婦人が、

「ほんっっっと、信じられない!もう、年だからしかたないか!」

と、少しご立腹の様子です。

受付の女性は「次回で大丈夫ですよ~」と笑顔で応対しています。

その年配のご夫婦、わたしの目の前の席に腰を下ろしました。

奥様、

「テーブルの上に置いてあったでしょ!?いやー、信じられない!」

相変わらずキツイ語調のままです。わたしの耳に入る範囲でも、本日2回目のシンジラレナイが発動されました。

この時点で、大体話の流れは想像がつきました。

要はご主人、病院を受診するのに、保険証からマイナンバーカードから病院の診察券に至るまで、一切合切を携行せずに来てしまった模様。

奥様、

「〇〇大学病院に行くなら受診できないからわたしだって確認するわよ。でも、ここに来るなら確認なんてしないでしょ?!」

まだ怒りが収まりません。
忘れたのはあくまでもご主人の過失であり、確認しなかった自分には一切の非がないことを主張している様子です。

ひとことも言い訳せず、穏やかに奥様の話を聞いている旦那さんを見て、わたし思わず心の中で呟く。

ご主人、ドンマイ!

その後も続く奥様のネチネチが、嫌でも耳に入ってきます。
ん~、聞くに堪えない。もうそのくらいで、ご主人を罵るのはやめにして欲しい•••と願っていると、あちら側からわたしの名前が呼ばれました。待合室を離れ診察室に逃げ込むことに成功です。ホッ。

検査して問診して、しばらくして待合室に戻ると、椅子にはさきほどのご年配カップルのご主人だけがぽつんと座っており。

・・・ん?
妻は?

えっ?
もしかして、呼ばれて診察室に入りました?

てことは・・・?
奥様あなた!

自分の診察券忘れたことを責めていたのですか~っ!!???

うそでしょ?

てか、「シンジラレナイ」のはわたしの方だわ。いやいや、ご主人の方か?

あまりの意外な真実に、いろんなものがこみ上げてきてしかたがありません笑。
誠に失礼ながら、奥様。わたし、あなたを反面教師とさせていただくことにしますわ。

  • 過ぎてしまったことをいつまでもネチネチ責めない
  • 人前でパートナーの体面を傷つけるような言動は避ける
  • 自分の失敗を誰かのせいにしない

少なくとも、この3点だけは、改めて心に刻んでおこうと決意していました。

奥様、検査が終了した模様で、事もなげに待合室のご主人の隣に腰かけました。

無事に受診できたことがわかったのだから、もう責めることはない・・・よね?

次の瞬間、「〇〇さ~ん」と呼ばれ、おもむろにそのご主人が立ち上がりました。

えっ?
えええええええっ??

貴男も患者さんでしたのーーーーっっ!?

ちょっとちょっと、先輩夫婦のおふたりさんたち!
この限られた空間で、何度わたしを驚かせれば気が済むわけ?

結果、ご主人。自分と妻、ふたり分の診察アイテム一式、お忘れになられたわけでしたのね?

ん~・・・
最後の最後に、どんでん返しがあったわ、これ。

ファイナルアンサー。

じゃ、ご主人
ご自分も困ったでしょうから、ある程度、反省の必要はあるかもね

うん。

それで、わたしはというと。
結果は予想通り、左目にも新たな飛蚊症ができた、って正式に告知されて帰ってきました。視界のぼやけも、それに付随するものなんだって。

慣れるまでは、しばらく病みそうね。

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